事業を支える研究開発
事業を支える研究開発
未来をつくる研究開発領域
主な研究開発領域における取り組みをご紹介します。
通信基盤技術
当社では、通信の進化を支えるさまざまな基盤技術の研究開発に取り組んでいます。
昨今、目覚ましい発展を遂げているドローンなどのUAV(unmanned aerial vehicle)を用いて数百m~20km上空に配置する上空基地局の実用化が期待されており、ソフトバンクでは、次世代のセルラー通信基盤技術として、これらの上空基地局と地上のセルラー通信ネットワークの連携により超広域低遅延通信を実現する三次元空間セル構成技術の研究開発を実施しています。
上空も含めた全ての屋外三次元空間をサービスエリアとする三次元空間セル構成技術を実現するための主な要素技術として、上空基地局(リピーター)、無線通信技術、上空基地局と地上セルラーネットワークの連携制御ネットワーク、三次元空間セル構成技術のセル設計を最適に行うための電波伝搬モデルの研究開発に取り組んでいます。また、国内外への貢献を目指し、研究成果の国際標準化を推進する活動も積極的に行っています。
NTN
宇宙空間や成層圏から通信ネットワークを提供する「NTN(Non-Terrestrial Network:非地上系ネットワーク)」。
世界に目を向けると、人口の約半数がインターネットを利用できていないと言われている中、当社は世界中のデジタルデバイド(情報格差)を解消することをミッションとして掲げてきました。
上空からネットワークを構築することで、今まで通信サービスのエリア外であった地域でも利用でき、一般ユーザーだけではなくDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する産業界においても大きな影響を与えます。当社は、世界中にインターネットを届けることで、通信環境が整っていないアナログな産業を一気にデジタル化し、社会構造の変革を実現するため、シームレスにつながる先進的な通信サービスやDXソリューションの提供を目指します。
また、NTNの整備により、災害時に地上の通信設備やネットワークに影響があった場合でも、つながる通信が確保できるため、BCPの観点でも期待されています。
5G
2020年3月より提供を開始した5Gは、産業やサービスを大きく進化させることが可能なテクノロジーです。
当社では、5G技術をフル活用するため、eMBB(高速大容量)を用いたサービス開発、またURLLC(高信頼低遅延)やmMTC(多数同時接続)に関する先行研究など、さまざまな活動・調査研究に取り組んでいます。
具体的には、未来の自動運転社会におけるトラックの隊列走行および自動運転車両の制御などに関するさまざまなV2X (Vehicle to X)の実証実験の他、MEC(Multi-access Edge Computing)と5Gを組み合わせた低遅延かつ高速大容量なサービスの実現に向けた研究開発を進めています。
Beyond 5G/6G
Beyond 5G/6Gは、通信速度・情報伝達の遅延・多数端末との同時接続などの機能において、5Gの通信性能の10倍以上の向上が想定されています。その実現のため、完全仮想化に向けたvRANの研究や、広帯域大容量通信が可能となるテラヘルツ通信の研究などさまざまな取り組みを行っています。
広大なエリアの構築や災害時でも通信を提供することが可能なHAPS(High Altitude Platform Station)の実現にも取り組んでおり、高高度基地局からのエリア形成や大容量化のための次世代ビームフォーミング技術の開発などを進めています。子会社のHAPSモバイル株式会社では、2020年にソーラーパネルを搭載した成層圏通信プラットフォーム向け無人航空機「Sunglider(サングライダー)」が、成層圏飛行および成層圏からのLTE通信に成功しています。
Beyond 5G/6Gを見据え、多角的な研究開発に取り込むことで、よりよい通信事業の拡充に注力していきます。
IoT
人とモノのつながりから、モノとモノがつながり、さまざまな領域でこれまで取得することができなかった情報の計測・数値化を可能にし、膨大なデータ通信がやり取りされることで新時代の情報処理に大きな変革をもたらすIoT(Internet of Things)。
当社は、高性能なチップを搭載したIoTセンサーやNB-IoT(Narrow Band-IoT)を活用したNIDD(Non-IP Data Delivery)などのサイバー攻撃に対するセキュリティ技術の研究を進めるとともに、IoTで新たなデータを収集し分析することで、社会課題解決・価値創出に役立てていきます。
AI
機械学習をベースとしたさまざまなAI技術を実ビジネスへ応用する取り組みとともに、そこで発生する精度や速度、教師データ作成コストなど、現在のAIの共通課題を克服し、AIの能力を飛躍的に向上させるための技術開発や、脳科学との融合により人間のように柔軟で汎用的な課題解決能力を持つ次世代AIの研究などに国立大学法人東京大学と共同で取り組んでいます。
また、AIを活用するために不可欠となる多種多様なデータの適切で精度の高い収集を行うため、良質な教師データの整備や、プライバシーを保護しつつデータを安全に利活用する仕組みの実現などにも取り組んでいきます。
これらの活動を通して、当社の事業を支えるAIソリューションやその共通基盤を提供するだけではなく、よりよいAIを実現することで企業や社会への貢献を目指します。
モビリティ
自動運転の実用化は、私たちの暮らしをさらに便利にするだけでなく、移動にまつわる社会課題の解決策としても期待されています。
当社では、モビリティ社会の拡充に向け、5G超低遅延通信を活用した自動運転支援の実証実験を行うほか、子会社のBOLDLY株式会社による自動運転技術の開発や、同じく子会社であるMONET Technologies株式会社によるMaaS(Mobility as a Service)向けモビリティプラットフォームの開発・サービス提供などさまざまな実証実験や事業化に取り組んでいます。
プレスリリース
研究開発に挑む技術者たち